知性もあらゆる物と同じく消耗する。学問はその栄養である。知性を養い、かつそれを消耗する。by ラ・ブリュイエール
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狐笛のかなた
以前、『獣の奏者』を読んだ際に、mixiの上橋さんのコミュニティで「狐笛のかなたも素晴らしい作品です」という書き込みを見たので、数ヶ月前に生協で買って、
「獣の奏者があんなに面白かったんだから、絶対これも面白いに違いない!」
と思って、大事にあたためていた本です。その期待にこの本は十分応えてくれたと思う。
ジャンル的には和風ファンタジー。〈聞き耳〉の力を持つ小夜という少女と、呪者に縛られた霊狐・野火の物語。
ざっくばらんに言ってしまえば、この二人の恋愛を描いている話ということになってしまうんだろうけれど、もちろんそんな陳腐な話にならないのがこの作品の魅力。
人の思いとか、人と人との関係が透明に表現されていてすーっと沁み込んでくるよう。人の描写だけでなく、風景の描写もまた洗練されていて、読んでいると自分が今本当に桜を見ているようで、妙な懐かしさを覚える。
上橋さんはあとがきに、
「これは、私の心の底にある〈なつかしい場所〉の物語なのです」
と書かれていて、その思いは読んでいるこちらにも屈折することなく伝わってkる。
すばらしい作品というのは、読んだあとの余韻がいつまでも続くような錯覚を感じさせると思う。単に笑える作品、泣ける作品を読んで思いっきり笑って思いっきり泣いたりするのも好きだけれども、それ以上にこういった余韻を感じさせる作品はさらにいい。
こういう作品に出会えるから、読書はやめられない。
「小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火だった。隣合う国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる……ひたすらに、真直ぐに、呪いの彼方へと駆けていく、二つの魂の物語。」
「獣の奏者があんなに面白かったんだから、絶対これも面白いに違いない!」
と思って、大事にあたためていた本です。その期待にこの本は十分応えてくれたと思う。
ジャンル的には和風ファンタジー。〈聞き耳〉の力を持つ小夜という少女と、呪者に縛られた霊狐・野火の物語。
ざっくばらんに言ってしまえば、この二人の恋愛を描いている話ということになってしまうんだろうけれど、もちろんそんな陳腐な話にならないのがこの作品の魅力。
人の思いとか、人と人との関係が透明に表現されていてすーっと沁み込んでくるよう。人の描写だけでなく、風景の描写もまた洗練されていて、読んでいると自分が今本当に桜を見ているようで、妙な懐かしさを覚える。
上橋さんはあとがきに、
「これは、私の心の底にある〈なつかしい場所〉の物語なのです」
と書かれていて、その思いは読んでいるこちらにも屈折することなく伝わってkる。
すばらしい作品というのは、読んだあとの余韻がいつまでも続くような錯覚を感じさせると思う。単に笑える作品、泣ける作品を読んで思いっきり笑って思いっきり泣いたりするのも好きだけれども、それ以上にこういった余韻を感じさせる作品はさらにいい。
こういう作品に出会えるから、読書はやめられない。
「小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の〈あわい〉に棲む霊狐・野火だった。隣合う国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる……ひたすらに、真直ぐに、呪いの彼方へと駆けていく、二つの魂の物語。」
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