知性もあらゆる物と同じく消耗する。学問はその栄養である。知性を養い、かつそれを消耗する。by ラ・ブリュイエール
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葉桜。
橋本紡さんの『葉桜』を読み終えました。
中学三年の頃から橋本紡さんの書く文章のファンで、3年ぶりの新作とあってかなり期待して読みました。
感想を一言でまとめると、期待以上。読み終えたあとの静かな余韻がたまらなかった。
話は青春恋愛小説。高校生の女の子が、小さい頃から通っている書道教室の先生に対して抱いている恋心を描いたお話です。
書道室の開け放たれた窓から吹いてくる風が揺れるように、主人公佳奈の想いもまた揺れる。
何か特別に山があるわけではなく、静かに流れていくように話は進んでいく。淡々としているけれど、話の中心に静かで透徹とした何かがある。
「 会えると思うだけで、なんだか嬉しい。なのに悲しい。まるで星のようではないか。本当の場所は変わらないのに、見る場所によって位置が変わってしまう。ほら、さっき左側にあった星が、今は右側にある。あの角を曲がったら見えなくなるはずだ。角に差しかかると、わたしは自転車をとめた。坂を一気に登ってきたので疲れていたというのもあるけれど、星を失いたくなかった。 」
情と景。
お話のなかで、いくつか和歌が登場します。その和歌のように、この『葉桜』もまた情景で作り上げられているのではないかと思う。
中学三年の頃から橋本紡さんの書く文章のファンで、3年ぶりの新作とあってかなり期待して読みました。
感想を一言でまとめると、期待以上。読み終えたあとの静かな余韻がたまらなかった。
話は青春恋愛小説。高校生の女の子が、小さい頃から通っている書道教室の先生に対して抱いている恋心を描いたお話です。
書道室の開け放たれた窓から吹いてくる風が揺れるように、主人公佳奈の想いもまた揺れる。
何か特別に山があるわけではなく、静かに流れていくように話は進んでいく。淡々としているけれど、話の中心に静かで透徹とした何かがある。
「 会えると思うだけで、なんだか嬉しい。なのに悲しい。まるで星のようではないか。本当の場所は変わらないのに、見る場所によって位置が変わってしまう。ほら、さっき左側にあった星が、今は右側にある。あの角を曲がったら見えなくなるはずだ。角に差しかかると、わたしは自転車をとめた。坂を一気に登ってきたので疲れていたというのもあるけれど、星を失いたくなかった。 」
橋本紡『葉桜』(P68)
この文章のように、佳奈の真情がいたるところで周りの景色と重なって表現される箇所が多くみられました。情と景。
お話のなかで、いくつか和歌が登場します。その和歌のように、この『葉桜』もまた情景で作り上げられているのではないかと思う。
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